お客様をお迎えする立場として、身に付けた知識を活かす日々です

サービス介助士2級 2006年取得 ザ・キャピトルホテル 東急 林元彦さん

想像以上の大変さを痛感して初めて、
身になった対応ができた

私がサービス介助士の資格を取ったのは2006年、ベル業務を担当していたときのことです。ベルはホテルにお越しになるお客様と直接やり取りをして、部屋にご案内したり、お手伝いをする仕事。しばしば車いすご利用の方がお越しになることがありますが、資格を取る前は見よう見まねで対応していたところがありました。実際に、教習で車いすに乗ってドアを開けたり、段差の上を操作するなどを学んだことで、初めて身になった対応ができるようになったと思います。
足におもりを着けたり、杖をついて歩いたりする高齢者疑似体験も、想像以上に大変でした。普段の生活の中では高齢な方と接する機会が少なく、認識不足だったのです。それからは見えづらい、聞きづらいことはないかなどを考えて接するようになりました。

教習での経験が“お手伝いする”ことを
当たり前と気づかせてくれた

教習では技術面だけではなく、気持ちの面でも大きく学んだことがあります。私自身は何も不自由を感じない場面でも、高齢な方や障がいがある方は怖いと思うことがあるんだなと実感できたのです。「この場ではお客様は恐怖や不安を感じるかもしれない」と考え、注意深く接することができるようになりました。
日常生活でも、これまでは高齢な方や障がいがある方がいても目に留まらず、素通りしてしまったことがあるかもしれません。今は、車いすの方などを見掛けたら、一歩止まって考え、お気持ちを汲んで行動できるようになったのです。もちろん障がいがない私がそれまで気がつかなかっただけで、高齢な方や障がいがある方にとってお手伝いが必要な場面があるのは当たり前。助ける、助けられるではなく、ともに同じ空間、時間を過ごす上では当たり前のおもてなしなんだと今は感じています。

全てのお客様に対して必要な
“気づき”を増やしていく

ホテル業務に携わる者全員が、サービス介助士の知識を持って接するのが当然になれば理想的です。ホテルでは、お客様ご自身やその周りを細かく見聞きして情報を集めて、常に何を望んでいらっしゃるのか考え、先に提案することが求められます。サービス介助士の教習での経験は、高齢な方や障がいがある方に対してだけではなく、すべてのお客様に対して必要な“気づき”を増やしてくれるからです。
現在はフロント部門にて、カウンターに立ってお客様をお迎えしています。お客様とは主にカウンター越しに接したり、電話でお話しすることが多いのですが、教習で学んだことを周囲とも共有して、ホテル全体でお客様をおもてなしできるように役立てています。

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