防災介助士は、高齢者や障害者など支援や配慮が必要な方々(災害基本法にいう要配慮者、避難行動要支援者など)への対応に焦点を当て、いつでも起こりうる災害について理解し、普段からどのように備えるか、災害時にどのように行動し、実践に結びつけるのかを身につけるための学びです。
近年、地震や台風などの自然災害が各地で多発しています。また、これら気候や地学的な変化に加え、世界中で頻発するテロ行為なども災害に類するものとして考えると、懸念すべき天災・事変の種類も多様化しています。
こうした現状を受けて、防災や災害の備えに対する意識は高まっており、スポーツ等の大規模イベントも念頭に、地域や企業において様々な対策が考えられています。
しかし、そのような対策において、高齢者や障害者など支援が必要な方々への配慮は十分に想定されているとは言えないのが現状ではないでしょうか。
昨今、高齢社会の到来や多様性への理解の高まりを受けて、「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」といった言葉をよく耳にするようになりました。
災害など非常時においては平時以上に高齢の方や障害をお持ちの方への配慮が必要になります。混乱した状況の中でこれら最も支援が必要な方への対応が行き届かずに、被害が広がってしまうことが考えられます。
防災介助士では、通常行われるような防災対策・訓練では置き去りにされがちな、配慮が必要な方(避難行動要支援者)への応対を学ぶカリキュラムを中心としています。
防災介助士は、備品や訓練だけではカバーしきれない“防災・災害におけるバリアフリー・ユニバーサルデザイン化”に寄与しています。
防災介助士の学習では、“防災・災害におけるバリアフリー・ユニバーサルデザイン化”を3つの視点から学びます。
知る
あらゆる災害の特徴と防災を知ることにより、被害を最小限に抑えることができます。
守る
日常から防災を意識し、行動することで、いざと言うときに自分や大切な人を守ります。
助ける
基本的な応急手当の方法や救助方法を身に付け、周囲の人や避難行動要支援者を助けます。
2011年の東日本大震災では被災地全体の死者数のうち65歳以上の高齢者の死者数が約6割。
障害者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約2倍でした。
災害時はあらゆる人が命の危険に晒されます。また、幸いにして災害発生直後は命が助かったとしても、その後長期にわたり避難生活を強いられたり、様々な困難の中で生命の危機に遭遇することも予想されます。中でもご高齢の方やお身体に障害を抱えた方は、健常な方よりも避難・移動などに時間を要するため、必然的に被害に遭う確率も高くなります。
2013年には災害基本法が改正され、要配慮者(高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する方)の中でも、災害時に自ら避難することが困難で、その方たちへの迅速な避難の確保を図るために特に支援を要する人たちのことが「避難行動要支援者」と呼ばれるようになりました。
社会では平常時のバリアフリーやユニバーサル化は徐々に浸透していますが、有事の際における想定や取組みには地域や企業によって差があり、必ずしも進んでいるとは言えない現状があります。
バリアフリー・ユニバーサル化を防災・減災の観点から考えることは、避難行動要支援者の生命に直結する課題であり、これは平時から避難行動要支援者とされる方々に限らず、例えば健常者であっても災害発生時に避難に支障をきたすような怪我を負ってしまった場合には同様かもしれません。これらの想定の不足は天災・事変に対する「脆弱性(危機(ハザード)に対する弱さ)」を増加させ、被害をより甚大にする要因となり得ます。
防災介助士は「自然環境の脆弱性」だけでなく、「モノ」や「法律・制度」など多様なものが影響しあって「人」に対する脆弱性となり得ることを理解し、災害に対して総合的に被害を軽減するためにできる対応は何かを学んでいきます。
SDGs(持続可能な開発目標)の取組みにおいては、特に災害が多発する日本では、誰一人取り残さない防災を考えることが重要です。
SDGsにおける防災への取組みには、避難行動要支援者への応対を学ぶことのできる防災介助士が欠かすことができません。
災害とは何か、脆弱性とは何か、防災についての基礎知識、避難のポイントを学びます。
高齢者や障害者に対する具体的な介助方法を学びます。
止血や応急手当の方法を学びます。
チームビルディングの手法の一つであるICSからチーム作りの基本を学びます。
介助
応急手当
搬送
【東京】
〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-2-6 三崎町石川ビル2階
TEL:03-6261-2333(フリーダイヤル 0120-0610-64)【土日祝日除く9:30-17:00】
FAX:03-6261-2334
【大阪】
〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-7-30 21心斎橋5F・6F
TEL:06-6251-6101【土日祝日除く9:30-17:00】
FAX:06-6251-6102