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みなさん、こんにちは。ライターのメグです。
10月にテレビドラマとして「恋です! 〜ヤンキー君と白杖ガール〜」(https://www.ntv.co.jp/yangaru/外部サイト)がスタートします。
視覚障害者になくてはならない白杖について、前回の記事ではそもそも白杖って何?ということをお伝えしました。
今回は、さらに白杖について理解できるように、白杖の種類と、見え方による使い分けについて紹介します。
白杖の詳しい使い方や意味を知らなくても、誰もが一度は白杖を目にしたことがあると思います。
白杖は全体的に白色ですが、一部赤色になっていますね。
白杖の赤色の意味はご存じですか?
実は、白杖に赤色の部分があるのは日本のものがほとんどです。
これは車や周囲の人々に注意を促すために色を付けたと言われています。
注意を示す色には赤、黄色などがありますが、赤色をつけたシャフト(白杖の本体の部分)に反射板をつけた際、一番目立ったのが赤だったということで採用されました。
実際に外国の白杖には赤色は取り入れられていません。
海外製の白杖は、白杖全体が真っ白なのです。
まさに英名の、ホワイトケーン、はぴったりですね。
次は白杖と石突(いしづき:杖の先端部分)の種類についてお話しします。
一口に白杖といっても、用途に合わせたいくつかの種類があります。
イラストの作成にあたり、社会福祉法人日本点字図書館 様の用具販売サイト(https://yougu.nittento.or.jp外部サイト)に掲載されている商品の写真を参考にさせていただきました。
その名の通り連結部分のない杖です。基本的なタイプになります。
白杖のシャフトを4段折り、または5段折りの部品に分け、折りたためるようにしたものです。シャフトの中にゴムが入っており、各部品をじゃばら折りにして収納できます。
小さくたたむことができるので、外出時持ち歩きに便利です。
白杖の役割「周囲に視覚障害者であることを知らせる」に特化して作られたものです。
(参考:白状の使い方、③ 鉛筆持ち)
シンボルとして持ち歩くために作られているので、素材も軽いもので作られています。
視覚障害と身体障害の方が主に使います。体を支えることが目的となっているので、一見、松葉づえにも見えます。
通常の白杖のようにじゃばら折りではなく、ラジオのアンテナのように各部品をずらして収納します。
杖の部分以外にも、石突(いしづき:チップ)という先端部分にもさまざまな種類があります。
鉛筆のような形をしている石突です。名前からも分かるように、デフォルトの石突です。
涙型の石突です。スタンダードタイプでは先端がとがっているため、点字ブロックや道路の溝に引っかかってしまうことも多々ありますが、この石突は丸みがあるため引っ掛かりが軽減されます。
キノコの傘のような形をしています。素材がナイロンのため、ものにあたった際の衝撃が少なく、人気が出てきています。
路面に滑らせると転がるようになっています。スライドテクニック(路面に石突を滑らせて歩行する方法)で歩行する方に向いています。
いかがでしょうか。用途によって、白杖にも何通りもの種類があります。
私は、折り畳みのティアドロップ式を使っています。
最初に白杖を購入するときには種類について知識が皆無だったため、取扱店に出向いて実際に触れたり使ったり、すべて見たうえで決めました。
ここからは日常生活に関連付けて使用例を見ていきたいと思います。
皆さんは、白杖使用者はどんな時でも白杖を使っていると思っていませんか。
実は、見え方や体調によって使うとき、使わないときがあります。
例えば、「羞明」(しゅうめい)という、明るい光の中ではまぶしさを強く感じてしまい一人で歩くことが難しい人、逆に「夜盲」(やもう)という夜になると一人で歩くことが難しい人がいます。
そういった方々は、時間帯や天気によっても、使うとき、使わないときがあります。
私は以前、駅員さんから「あなたのように目の不自由なお客様がほかにもいるけれど、朝は白杖を付きながら歩いているのに、夜は何も持たずにすたすたと歩いている方がいるんですよ。」といわれたことがあります。
これは皆さんの感覚に例えると、「いつもは駅の改札からホームまで階段で移動しているけれど、昨日のトレーニングで少し脚が疲れているから、今日はエレベーターで行こうかな」といったようなものだと思います。
ちなみに道路交通法にも白杖について述べられています。
第十四条
目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105外部サイト
白杖は携えなくてはなりませんが、必ずしも使わなければならない、というものではありません。
このように、白杖を使い分けている人がいるのだということを分かると、お手伝いする際のお声がけもしやすくなるのではないでしょうか。
ぜひ勇気を出してお声がけをしてみてください。
今回は、白杖自体をクローズアップした内容を紹介しました。
次回は、白杖使用者がお手伝いしてほしいタイミングやサインについて紹介したいと思います。
サービス介助士(別のウィンドウで開く)では、テキストでの勉強に加え、実技教習での介助やサービス介助士アドバイザーという障害当事者とのリアルタイムのコミュニケーションを通じて障害や加齢について学ぶことができます。
人生100年時代だからこそ、まずは自分の未来を学んでみてはどうでしょう?
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著者プロフィール
視覚障害と軽度の移動機能障害がある。2歳から4歳まで盲学校幼稚部、その後、小学校から高校まで養護学校(現在の特別支援学校)に通う。高校まで車いすを使用して生活をしていたが、大学入学後の訓練を経て、現在では白杖のみで歩行している。現在は、日本ケアフィット共育機でサービス介助士アドバイザーとして日常生活の過ごし方や生活上の工夫、障害当事者に対する介助のポイントについての講演、障害者向けのシステム開発や、視覚障害者用映画副音声の脚本作成の手伝いアドバイスなどを行っている。
サービス介助士とは高齢者や障害者など多様な人が暮らす社会で、年齢や障害の有無に関わらずに誰もが社会参加できるように必要なことをその人、その場にあったやり方でできる(=ケアをフィットする)人になるための資格です。
社会の高齢化や障害者差別解消法などへの企業の対応の他にも、高齢者や障害者が利用しやすいサービスや商品の設計、障害者スポーツでのボランティア活動など、幅広い分野で今後ますます必要とされる資格です。
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