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今回、不動産業界として初めて阪急阪神不動産株式会社様の延べ200名の皆様にサービス介助セミナーをご受講いただきました。
サービス介助セミナーをご受講いただいた経緯や今後の取組についてご担当者様に伺いました。
阪急阪神不動産株式会社 住宅事業本部
マンション事業部 販売グループ
副部長 真鍋 豊成 様
企画担当 長洲 夏海 様
阪急阪神不動産・新築分譲マンション〈ジオ〉シリーズの販売に関する業務を行っております。
中でも私たちは企画担当として、実際に接客を行う営業スタッフの後方支援活動を行っております。
具体的には、会員組織の運営、マンションブランド〈ジオ〉シリーズのポータルサイト運営、営業指針の制定、販売スタッフ向けの各種研修実施の企画・運営等がございます。
このような後方支援を通して、当社のマンションギャラリーへお越しいただいた皆様にご満足いただけるよう努めております。
3時間の研修は、自分たちの想像を超えたものだったようです。
そんな声を聴いています。
きっかけは幾つかあるのですが、竣工済みの物件を直接お客様に見ていただき販売活動をする機会があったのですが、その会場に車いすご利用のお客様が来場されました。
その方は外から乗ってきた車いすのまま室内に入ろうとされ、応対についての知識や準備がなかった我々は、結果としてお客様にご満足いただけるような対応ができなかったという経緯がありました。
お客様からすれば実際に室内で車いすを使ってみなければ物件の良し悪しも判断できない訳ですから、後になって相手の立場で考えれば、お客様のご不満は至極当然のことでした。
来場いただくお客様に車いすを利用されるお客様や、聴覚に障害のあるお客様など障害のあるお客様の来場頻度が高くなってきたにもかかわらず、自分たちに障害のあるお客様対応の準備が出来ていませんでした。
商品としては法律で決められているような「スロープを付ける」などの一定の規定はあるが、本当にそれだけでいいのか? もっと柔軟な対応が必要ではないか? 研修を受けることによって設計段階から見直しができるのではないか?
普段、お客様応対をしているスタッフはもちろん、直接応対しないスタッフにとっても十分学びの場となるはずだ、と感じました。
また、現場管理をしているスタッフには、普段なら出来上がったものをチェックするだけなので、利用者のことを考える機会がなく、設計や図面の段階で「もっと緩やかなアプローチが出来るのではないか」「階段の段差はもう少し低くできないか」などナチュラルに対応出来る企業であるべきだと思い、まずは自分たちが学ぶことから始めようと考えました。
最後は、お客様が多様化している中で、LGBTQの来場者も多くなっています。
グループ会社で鉄道事業を行っている当社としては、繰り返しになりますが、多様化していくお客様対応について一から見直す必要があると実感したことも、大きかったです。
心のバリアフリーDVDを視聴した冒頭の3分ほどは衝撃でした。
健常者と障害者の逆転の世界を見ながら、多数派、少数派、多様性そして障害者差別解消法という法律にある「合理的配慮」を正しく理解することで、お客様との対話の必要性を学びました。
後半の心のバリアフリーを実践していくことの必要性では、設計担当者などは障害当事者の目線で困りごとを確認できたことが良かったようで、これから様々なアイディアが生れそうです。
少し違う角度になりますが、我々には「オプション」という提案があります。
例えば、マンションを購入いただき、通常オプションなら、「食洗器」や「床暖房」などを付加することで「グレードアップオプション」を行っています。
今回研修を実施したことで、このようなメニューの中に障害ごとに対応するためのグレードアップオプションのメニューを用意してはどうか?との声が社内から上がってきております。
今後のマンションづくりの中で、様々なアイディアがうまれてきそうです。
また販売した後のお付き合いとしては、管理会社の存在も重要になると考えております。
よりお客様の実生活に寄り添うことも課題として取り組むためにも、更に学びを深めていこうと考えます。
障害の有無に関係なく、多様なお客様に喜んでいただける対応を実践していきたいと思います。
こういった取り組みを当社が率先して行うことで、不動産業界全体が多様なお客様へ配慮した取り組みをどんどん行ってほしいです。
当社のマンション〈ジオ〉をご購入いただいたお客様だけでなく、地域社会全体へ貢献できることを願っております。
―素敵な取り組みですね。特に障害ごとのオプションのメニュー化!とても興味が湧きます。
是非お手伝いさせてください。
“心のバリアフリー”は、直接接客に携わる業種だけでなく、“なぜ障害が生まれるのか”を知ることは、設計や企画に携わる業種の方にとっても欠かすことのできない学びです。
地域とともに歩む水戸ホーリーホックの取り組み【前編】
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株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホックは、現在、J2リーグを舞台に戦っており、茨城県の県央、県北の15市町村をホームタウンとして活動しているサッカークラブです。「新しい原風景をこの街に」をブランドプロミスとして掲げ、Jリーグの中でも、特に質が高い、地域に根差した取り組みを行っています。今回は、株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック 経営企画室 事業執行役員の市原 侑祐様に地域社会における取り組みについて茨城県出身の日本ケアフィット共育機構大学生インターン生がお話を伺いました。どのような取り組みを行っているのか、取り組みを行う上で考えていることや今後の展望について前編・後編に分けてお伝えします。前編では、水戸ホーリーホックの特徴、地域社会での具体的な取り組みについてお話を伺いました。
名鉄バス株式会社様インタビュー【全国バス事業者サービス介助士導入企業インタビュー】
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全国のバス事業者様のインタビューを行う連載インタビュー。今回は、愛知県を中心に路線バスや高速バス、コミュニティバスを展開されている名鉄バス株式会社様 安全統括課の久保野様・藤永様・野中様に話を伺います。
誰もが学べる社会に向けて〜日本と世界の特別支援教育の現状〜
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2022年、障害者権利条約の批准国として日本が初めて国連から審査を受けて、インクルーシブ教育の権利保障について勧告が出されました。障害や様々な差異によって差別を受けない教育は欠かせないものですが、そもそも日本や他国の教育がどのようになっているのか、ということを知ることは今後インクルーシブ教育を考える上で有用な参考情報となります。今回の記事は日本ケアフィット共育機構の学生インターンが日本や海外の教育について比較調査をした内容をご紹介します。
障害者に配慮が必要であることは、知識としては分かっているが、視覚障害者の手引き誘導を体験した時、目を閉じて歩いただけなのに、怖さと不安が同時にやってきて、常にこんな不安な状況の中で生活しているのかと驚かされ、一体どんな想像の中で生活しているのかと考えさせられました。
もちろん視覚障害者だけでなく、障害者は同様に様々な不安や困りごとがあるのだとわかりました。
だからこそ、ちょっとした気遣いや、ひと言でもお声がけがあることで、障害のある方を安心させられ、支えにもなれているのだと実感できた